6cm
タオルを被りながら布団に戻る。


と、
携帯の着信ランプがちかちかして、
メールが届いていることを知らせている。

あたしはあわてて携帯を持ち上げ、
メールボックスを開いた。


"一件の受信メール:サトシ"



メールを開くと、

『おはよう
 寝る時は寝るって言って欲しかったな』

と、短い文章。
あたしは忙しなくカチカチボタンを打ち、

『ほんとにごめん』

と送信した。


彼は冗談混じりに怒ったようなメールをしてきたけど、
何事もなかったようにまた返事をくれた。





仕事に出るまで。

仕事上がり。


あたし達は絶えずに文字を交わす。



彼の名前は『明良』だと知った。

あたしの名前も『夏々』だと教えた。


『夏々』と呼ばれるのがくすぐったくて。

だけど、嬉しかった…。
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