6cm
『もしもし』

『…夏々?』


少し掠れた低い声。

顔も知らない電話の向こうの彼に、
あたしの胸が高鳴る。



『ほんとに行っていい?』

『…あたしも会いたいから』

『仕事何時から?』

『15時』

『じゃあ…とりあえず仕事終わらせる』

『うん』

『終わったら電話するから』

『うん』

『いけなかったらごめんな?』

『…うん』

『とりあえず朝まで寝て?』

『解った』




そんな短いやりとり。

『んじゃ仕事するから、ちゃんと寝なよ?』



明良からメールが入る。


『待ってる』


あたしは一言メールを返して、
眠りに堕ちた。
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