初雪が、温もりでとけたとき



ウォッチキスを机に置き、廊下に飛び出した。
いつもなら走らない廊下を走った。


息を切らして体育館についたときには、もう体育館は盛り上がってたんだ。



「実艶おめでとう!」
「やったな!」
「部長おめでとう!」



中を見なくても分かった。
部長は“茂野君”


中を覗くと、ステージの隅で座り込んでた人がいた。



「由季ちゃん…。」



由季ちゃん、そんな悲しい顔しないで?
由季ちゃん…お願い。
悔しいのも、悲しいのも分かるけど…笑って?


久々に、雪乃に由季ちゃんの笑顔を見せて?



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