初雪が、温もりでとけたとき



そんな由季ちゃんは見ていられなくて、雪乃は教室に駆け戻った。


走りすぎたせいか、キツい。
胸が、ギューッとなる。
キツい…辛い。



携帯をとりだし、耳にあてる。



「五反田先輩…結果、でました。」


『どうなった?』


「…茂野君です…。………五反田先輩…今頃だけど、あの質問の答え、聞いてもらえますか?」


『うん。』


「雪乃は、由季ちゃんに部長になってもらいたかったです…。」


『そっか。俺もね、由季になってもらいたかった。でも今の由季は…変わったから。
きっと、部長になっていても、長続きしないと思う。』


「…先輩…。」


『泣きたいのは、俺も、いっしょ。』



ねぇ由季ちゃん?
悲しい顔しないで?


五反田先輩…期待してくれてたんだよ?
だから、笑って?



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