初雪が、温もりでとけたとき
今日の雪乃は、少し緊張。
メイクして、髪を巻いて、マフラーをして、家を出た。
「あっ、雪乃ー!」
「颯君!」
「久々。」
颯君の笑顔に、雪乃はうなずいた。
今日は、10月28日。
学校は、お休みだ。
「ファミレスで話す?」
「やっぱこっちはいいね。島根はなんもありゃぁせん。」
「……そうかな。」
いろんな話しをしていると、ファミレスについた。
暖房のきいたファミレスでは、ジュースを注いだグラスからも、すぐ水滴が落ちた。
「なんかあったかや?最近。」
「んーっとね、テストの点数がよかったかな。」
「雪乃頭いいんか?!憧れるわ。」
そんな話しをしていたら、チクチクと胸が痛んだ。
「日短くなったな…。」
いつもならそう感じないのに、やけにそう感じた。