初雪が、温もりでとけたとき



もっともっと見ていたい。
だけど、そろそろ行かないと、気づかれてしまうかも。


伸びた髪を耳にかけ、足を下駄箱に向けた。



「まって!」


「………え…。」


「雪乃、その…抹茶クッキーありがとう。美味しかった。
覚えとってくれたんじゃな。俺が抹茶クッキー好きってこと。」


「う、うん…。」



由季ちゃんの喋り方が、颯君と友達だということを表してる。


久々の会話に、戸惑う。
髪型、だいじょうぶ?
メイク、崩れてない?
顔、赤くなってない?



「あんときはごめん!
んで…勝手なんじゃけど…また付き合ってくれんか?」



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