初雪が、温もりでとけたとき



「も、もしもし由季ちゃん??」


『あーうん。俺。突然ゴメン。』


「ううん、嬉しかったよ!どーしたの??」


『うん、あのさ…雪乃が子供に名前つけるとしたら、なんにする?……っずっと先のはなしだけど!!』



焦ってる由季ちゃんの声に、雪乃は笑いを堪えた。


返事は、すぐに浮かんだ。
由季ちゃんとの思い出を詰め込んだ名前。



「男の人はせっかちだね。
…でも、雪乃なら“小雪”と“小羽”がいいな。」


『えっ、2人いること前提?!』


「だって、一人っ子って何気に寂しいもん!」



必死に抗議すると、電話越しからクスクスと由季ちゃんの甘い笑い声が聞こえた。



< 111 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop