初雪が、温もりでとけたとき
「も、もしもし由季ちゃん??」
『あーうん。俺。突然ゴメン。』
「ううん、嬉しかったよ!どーしたの??」
『うん、あのさ…雪乃が子供に名前つけるとしたら、なんにする?……っずっと先のはなしだけど!!』
焦ってる由季ちゃんの声に、雪乃は笑いを堪えた。
返事は、すぐに浮かんだ。
由季ちゃんとの思い出を詰め込んだ名前。
「男の人はせっかちだね。
…でも、雪乃なら“小雪”と“小羽”がいいな。」
『えっ、2人いること前提?!』
「だって、一人っ子って何気に寂しいもん!」
必死に抗議すると、電話越しからクスクスと由季ちゃんの甘い笑い声が聞こえた。