初雪が、温もりでとけたとき



その甘い笑い声に、トクンッと心臓が弾む。



『そっか、小雪と小羽か。いい名前。男の子にもギリでつかえるな!』


「由季ちゃんなら、なんにする…?」


『“初雪”に関連する名前にしたかった。
だから…雪乃が考えた名前はピッタリだ。』



そう言った由季ちゃんの表情が、なんとなく想像できた。


きっと、微かに微笑んでる。


目を垂れさせて、ゆっくりと、笑ってる。



『日曜日、初デートしよっか。11月11日は、記念日だし。
バスケットリンクがある公園に9時。』


「ゆ、由季ちゃん!雪乃にもバスケ教えて!」


『ん…了解。じゃあね。』


「また明日!」



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