初雪が、温もりでとけたとき
もう昼だしな………。
誰かに用事でもってあるのかな?
来週から中間テストだから、下校は4時頃になるのに…。
ぜったい寒い!
「由季ちゃん、雪乃行ってくる!」
「えっ、雪乃!?」
「声かけてくるだけ!先行ってて!ちゃんと授業聞いててね!」
そう言い残し、雪乃は靴箱へと走る。
靴箱に近付けば近付くほど、寒かった。
急いで上靴からスニーカーに履き替え、校門に向かう。
息をするたび吐く息が、白くなった気がした。
「あのっ…。」
「え、あ……。」
「なにか、ご用ですか?櫻女子の方ですよね?うち、まだ中間テストじゃないんですよ。」