初雪が、温もりでとけたとき



そんな由季ちゃんが笑ってるんなら、雪乃は心から笑いたい。でも、でも、今日だけは、笑えないよ。



「雪乃、どうかした?」


「えっ…あの、あのね、由季ちゃん。」



今、今がチャンス。
今言わないと―――!



「森山春さんって子が、あの場所で待ってるって。」


「……春が?」



え……“春”?
いや、たしかに呼び捨ては普通だけど……。
なんか、ショック。



「今日、校門にいた子、由季ちゃんに用事だったみたい。
多分、今日そこで待ってるだろうから、行ってあげないと。…したっけ。」


「……っ、ごめん!」



< 21 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop