初雪が、温もりでとけたとき
そんな由季ちゃんが笑ってるんなら、雪乃は心から笑いたい。でも、でも、今日だけは、笑えないよ。
「雪乃、どうかした?」
「えっ…あの、あのね、由季ちゃん。」
今、今がチャンス。
今言わないと―――!
「森山春さんって子が、あの場所で待ってるって。」
「……春が?」
え……“春”?
いや、たしかに呼び捨ては普通だけど……。
なんか、ショック。
「今日、校門にいた子、由季ちゃんに用事だったみたい。
多分、今日そこで待ってるだろうから、行ってあげないと。…したっけ。」
「……っ、ごめん!」