初雪が、温もりでとけたとき
由季ちゃんは、1年生が始まって2ヶ月たってからの転入生。
それまでどこの学校にいたか話さなかったし、あんまり興味なかった。
でもあの日、あの日から、少し興味がわいたんだ。
『先生の馬鹿ぁ…。こんな朝早くに呼び出さなくても…。』
身震いしながら、職員室に近い渡り廊下を歩いてた。
そこはちょうど、体育館ぞいの渡り廊下。
キュッ ダムッ
バッシュの床を滑る音と、ボールが床に当たる音。
こんな朝早くから誰がいるんだろうと顔を覗かせると、そこにいたのは由季ちゃん…あなたでした。