初雪が、温もりでとけたとき
「お母さん、おはよ!いってきます!」
「あらぁ?今日はまた早いわね。」
ソファーに腰を沈め、コーヒーを飲んでいたお母さんは雪乃に言った。
だって、由季ちゃんが心配なんだもん…!
「いってきます!」
「いってらっしゃい。」
外は寒くて、走るたびに肌が突っ張って痛くて、でもなるべく走った。
由季ちゃん、由季ちゃん…いつもの場所に、いないでね?
携帯で時間を確認すると、07:13と表示されてた。
いつもなら由季ちゃんはいない。
なのに由季ちゃん…なんで?
なんで…いるの…?