初雪が、温もりでとけたとき



「キャッ……。」



ついに滑った。
冷たい…痛い…寒い…。
……悲しい…。



「どうかしたの?」


「へっ?」


「あー、すりむいとる。痛いじゃろ?」


「あ……。」



座り込んでた雪乃を立ち上がらせながら、その男の人は膝を見ながら言った。
その喋り方は、さっきの由季ちゃんそっくりだった。



「寒いからなおさら痛いよなー。雪乃ちゃん。」


「へっ!?」



突然名前を呼ばれ、雪乃は変な声を上げた。
その人は、得意そうに笑ってる。



「超能力♪」


「えーっ!」


「ウ・ソ♪俺、由季の友達。島根から来ましたぁ♪」



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