初雪が、温もりでとけたとき



茶髪の髪を掻き分けながら、山田君は言った。
頭の中に、由季ちゃんの悲しい顔が浮かぶ。



「ごめんね…。」


「あ、俺が無神経なだけじゃけん!…じゃあ、メアドだけでも交換せんか?」


「うん、いいよ。」



携帯を取り出すと[Eメール3件][着信4件]と表示されてた。
見なくても分かる。
由季ちゃんだ。
でも雪乃は、赤外線に画面を変えた。



「じゃあ、メールするけん!!」


「うん。」



手を振り、雪乃は来た道を、痛い足で歩いた。
まだ降ってる雪が、時折傷口に当たって、痛かった。



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