初雪が、温もりでとけたとき



「雪乃…ごめん。俺、まじ最低…。」


「…由季ちゃん?」


「別れよ。」


「――………。」



悲しく笑う由季ちゃんの言葉が、理解できない。
ううん…したくない。


由季ちゃん…由季ちゃん今、なんて言った??



「ほら、時間も遅いし…校門まで送ってく。」



フワッと雪乃の首に自分のマフラーを巻くと「あげるから。」と由季ちゃんは言った。


真っ暗。
今日は星が輝いていない。



「ばいばい。」


「………ばいばい…。」



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