初雪が、温もりでとけたとき



なにを残念がってるんだろう。雪乃の彼氏は、颯君なのに。
颯君に、悪いよ…。



「雪乃?なにしてるの?おいていくわよ。」


「ち、千佳ちゃんヒドい!待ってよ!」



少し先にいた千佳ちゃんの声が雪乃に飛んでくる。
おいて行かれるのはイヤなので、千佳ちゃんに駆け寄った。


上靴に履き替え、数ヶ月前までは使わなかった階段を使う。
少しすると見えてきた。
2-1が。


きっと、知らない人がたくさんいて、また新しい生活が始まる。



「千佳ちゃんと席近いかなぁ…?」


「黒板を見なさい。」



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