初雪が、温もりでとけたとき



雪乃が住んでる雪の県と、島根は遠くて。
雪乃は遠距離恋愛をしていて。でも、辛いなんて思ったことはない。


雪乃は颯君の言葉にイッキイチュし、好きになっていく気がした。



『んじゃ、おやすみ。』


「うん。おやすみ。」



プツッ――プープ


むなしく残る終話の音。
雪乃はその音を聞いて、携帯を閉じるだけ。


電気を消して、部屋を真っ暗にする。
そして、瞼を閉じた。





『これ、俺のケー番とメアド。』


『え…?』


『付き合ってるんだからさ。』


『ありがとう!メールも、電話も、するねっ!』


『うん。』



そのときの由季の表情は、笑顔だったよね?
はにかんだような…そんな表情。



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