初雪が、温もりでとけたとき



ピピピ ピピピ♪



目覚まし時計の音で、夢はプツリと途切れた。
目を擦りながら起き上がり、制服に袖をとおした。
最後に去年と違う色のリボンをつけて、チェストの前に座る。



「あ…。」



思わずドライヤーのコンセントをいれていたことに気づく。
コンセントを抜き、コテのコンセントをいれた。


真っ直ぐの髪が、少しずつ巻かれてく。
1年のときとは違う…髪型。


アイラインしかひかなかったのに、マスカラを少し塗って、自分を作る。


由季ちゃんに、染まりたくない。



「いただきます。」


「お母さん、雪乃と朝ご飯も食べれて嬉しいわ。」



コーヒーを飲むお母さんが、パンをかじる雪乃に笑いかけた。
雪乃は、ただ笑う。



由季ちゃんと別れたから、朝ご飯も食べる。
ゆっくり歩くこともなくなった。


でも、体重増えた……。
身長伸びてたらいいなぁ。



< 84 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop