初雪が、温もりでとけたとき



学校生活はいたって普通で。
友達がいて、笑って。


夜になると颯君と話して。



こんなふうに、春を越え、夏を迎えようとしてた。




「えーこの前のテストの結果?たいしてできなかったもん。
茂野君、春流と見てきなよ。」


「いや、見てきたけど…雪乃ちゃん頭よかったんだな。」


「えー?50位までしか張り出されてないのになに言ってるの?」



二つに結んだ髪を後ろにはらいながら、雪乃は笑った。
中学2年生ってだけあって、勉強にも力を注いでる。
千佳ちゃんが教えてくれることもある。


もう1年半もすれば、高校生だから。



「あ、春流、茂野君、これクッキー。よかったら食べて?」


「わーい、雪乃ありがとう!でも雪乃、本当にすごかったよ?学年22位。」


「へっ?」


「千佳は3位だったけど。春流ギリギリ47位~。」



雪乃が驚いてるうちに、茂野君は部活に行ってしまった。



「春流、委員の仕事あるんでしょ?手伝うよ。」


「本当に?じゃあ、職員室行かなきゃだから…行こっ!」



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