初雪が、温もりでとけたとき
あんなにバスケに真面目だった由季ちゃんに、なにがあったんだろう。
「そーいえば今度の練習試合、五反田先輩が見にくるって!田中先輩と。」
五反田先輩からもらったメールを思い出し言うと、2人ともビックリした顔を見せた。
「これはますます頑張らないとねぇ…。」
「恵比寿君が知ったら、頑張るんじゃない?……五反田先輩は、恵比寿君の憧れなんでしょ?」
なんで、由季ちゃんをこのごに及んで心配するんだろう。
由季ちゃんが部長になれなくても、雪乃には関係ないじゃない。
「雪乃も来てっ!春流、1人じゃなんだか心細い!」
「えー…。」
「お願い!」
「雪乃、行ってあげたら?あたしも用事がなければ行くから。」
千佳ちゃんの後押しで雪乃は「うん、分かった。」と答えるだけだった。