初雪が、温もりでとけたとき
「どうぞ。ご注文の品です。」
雪乃が黙り込んでいるうちに、ケーキが運ばれてきた。
千佳ちゃんはクスッと笑うと、ケーキを差し出す。
「さ、食べましょ。」
「うん。」
「そーいえば雪乃、この前の数学、解けた?」
「あぁー!解けてない。」
「んなことだろうと思ったわ。今日、雪乃の家いいかしら?」
「おねがいします。」
いつ、雪が降るだろうかと、ビクビク、ワクワク。
できることなら、11月11日に降ってほしい。
颯君…ごめんなさい。