初雪が、温もりでとけたとき



「どうぞ。ご注文の品です。」



雪乃が黙り込んでいるうちに、ケーキが運ばれてきた。


千佳ちゃんはクスッと笑うと、ケーキを差し出す。



「さ、食べましょ。」


「うん。」


「そーいえば雪乃、この前の数学、解けた?」


「あぁー!解けてない。」


「んなことだろうと思ったわ。今日、雪乃の家いいかしら?」


「おねがいします。」



いつ、雪が降るだろうかと、ビクビク、ワクワク。


できることなら、11月11日に降ってほしい。



颯君…ごめんなさい。



< 97 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop