君に恋すること
「しっかりしろよ」
「…眠い」
「水掛けてやろうか?」
「いいよっ」




ちょっと目覚めた。




下駄箱を出れば、
夕焼け色に染まっていた街。





「午後の授業サボリだな」
「だって…」
「欠点だな」
「うっ…あ、寂しかった?」
「は?」




呆れ顔であたしを見る。





「あたしいなくて寂しかった?」
「全く!その反対」
「嘘ばっか」
「嘘ついてねぇよ!」
「ムキになっちゃって」





ツンと腕を突付いた。





「1人で帰れ」
「なんで?」
「お前と一緒にいたくない」
「酷いよ!」
「俺はこんな奴だよっ」





逆方向に歩き出した篤希。




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