君に恋すること
あたしの初めては…
篤希なはずだった。




「じゃ君の初めてもらうね?」





い、嫌っ!!



あたしは声が出ない代わりに、
大きく首を振った。






「お前みたいな奴にこいつの初めてやれるかよ」





え??
この声は…篤希だよね?




「誰だてめぇ」
「お前に知ってもらいたくねぇ」







篤希だ…篤希だよ!
大スキな篤希がいる。





「ッチ…邪魔すんなよ」





そう舌打ちして、
男はあたしたちの前から去った。




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