君に恋すること
ザワザワだった声が
一気に静まった。





「これ…昨日の」
「誰が撮ったんだよ」





ため息混じりの声に、
あたしは見上げた。




「バカなことしてくれんな」





と一言だけ残し、
篤希はその場を去った。






篤希の背中を見送り、
あたしは写真を取った。





教室に着くと、
人だかりができた。






「な、なに?」




普段近づいてこないくせに。
こういう時だけ…。





「一河と付き合ってんの?」
「…付き合ってないよ」
「でも掲示板の写真」
「あれは…事情があったの!」
「…んだよ」





パッと明るくなった辺り。



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