君に恋すること
「でもなんか振られたって」
「振られた…」
「んで…一河スキな奴いるって」
「えっ!?」





“スキな奴”…??
だ、誰!?




「俺にはわかるなぁ」
「その相手が?」
「うん」





あたしの顔見て、
満面の笑みを浮かべた。




「お願い!教えて?」
「無理無理…俺は言えない」
「えぇ…」
「俺もスキ…だった」
「スキ、だった?」
「そ、もう過去形かな」





壱くんもスキだったんだ…。
その女子相当モテるんだろうな。




だって篤希がスキなんだよ?
あのかっこいい篤希に好かれる…





あたしには程遠い夢だよ。




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