キミの日記『Cherry's Diary』
「小学生の頃さ~、私って丸かったじゃん?」
唐突にヒカリが昔の事を話し出した。
今は大人っぽくなっているヒカリ。
だけど、小学校の頃は
『ボール』なんてあだ名がつくくらいまるかった。
「男子ヒドイのいっぱいいたよね。」
みんなで
男子って酷いって
話してヒカリをかばっていた覚えがある。
「でも、すぐにぴたっとなくならなかった?」
6月頃、だったかな?
「林間教室ってあったでしょ?」
「あったあった。」
その頃が一番酷くてさ。ヒカリがご飯食べてると
男子の中で
『ボールがご飯食べてるぞ!動画投稿しようぜ!』
なんて言うヤツがいたっけ。
「そしたらさ、桃乃木君が
『見るに耐えん。お前ら、バカか?寄ってたかって』
って言って全員に拳骨してたんだ。」
「へぇ~、
アイツにそんな輝かしい過去があるんだ?」
今じゃ、無愛想なただの科学オタクだけど。
「後で先生に『暴力はいけません』って叱られてたけどね」
「あははは」
毎朝、いつも桃乃木と来る
見慣れた桜公園の角を曲がった先に桃乃木の家がある。
「あれ!桃乃木の家だよ~」
桃乃木の家が見えると指差しヒカリに教えた。
「そうだった!あれだ!
前にも美里に連れられて行ったことあるよね?」
なんて言いながら私とヒカリは桃乃木の家に到着した。