キミの日記『Cherry's Diary』
「こんにちは~」
と、戸を開けても誰も出なかった。
鍵空いてるけど?
楓さん、買い物でいないのかな?
どうやら留守みたいだった。
桃乃木には行くって連絡してあるし
アイツは何やってるんだろ。
ヒカリが携帯を見せながら言ってきた。
「桃乃木君、中で待っててだって」
私たちは、居間で待たせてもらうことにし、
「お邪魔しまぁ…」
と、小声で呟き中に入っていった。
桃乃木の家は居間の他に2部屋しかない。
「本当に、誰もいないね。」
「どこ、行ったんだろ?」
とりあえず、私は
手に持っていた竹の子を台所の隅のほうに置いた。
「あっ、メール!」
ヒカリの携帯電話が鳴った。
「何て?」
「『冷蔵庫になんかあるから
美里にお茶とか出してもらって』だって。」
私、お手伝いさんじゃないんだけど?
「全く、病人が何してんだか。
ヒカリ、居間のコタツのところに座ってなよ。」
私は、居間にある
桃乃木が勉強用に使っているコタツを指差し
ヒカリに待っているように告げた。