キミの日記『Cherry's Diary』
冷蔵庫からお茶を取り出した。
「ヒカリ、コップこれでいい?」
「うん。」
台所でお茶の準備をしている私に居間の方から
「私さ、こんな綺麗な男の子の部屋初めてだよ。」
そう聞こえてきた。
男の子の部屋ねぇ。
そう言われればそうか。
普段から来ていたせいかそんな意識は無く
言われて初めて気が付いた。
桃乃木の部屋は
生活感はあるものの綺麗に整頓されてて
噂で聞く床に洋服や教科書なんかが
散らばっているような
男の子の部屋とは大違いだったから
考えてみると、ちょっとおかしく思えた。
「はいっ。ヒカリの分。」
「ありがと。」
ただ、桃乃木の場合、
季節感に関しては少し疎いらしく
5月も中旬にさしかかろうというのに
まだコタツは出ていた。
コタツの上を見ると、
さくらんぼのマークの日記帳が
無造作に置いてあった。