キミの日記『Cherry's Diary』
「それ…」
 
 
どこかで見たようなその形は

入学式の頃に桃乃木にやったプレゼントだ。
 
 
「やっぱり桃乃木君の日記?」
 
 
前、来た時はここに置いてなかったのに。
 
 
「うん。」
 
 
「さくらんぼのマークすごくカワイイね。」
 
 
と、言いながらロゴを指でなぞるヒカリ。
 
 
本当はすごく中身が
見たいんじゃないかなってちょっと思った。


好きな人の事とか書いてあるかもしれないし。


本人、いないし。


本人、いないし。


本人、いないし。 


それから

私たちは桃乃木が帰ってくるのを待っていた。
 
待っている間、

ちらちらと日記が気にはなっていたけど。

何度も何度も、目が合う私たち。

良心と、好奇心との戦いは続く。

二人で目を合わせていると、

ヒカリから

ちょっとだけ覗いてみようか?

そう聞こえた気がした。


私見張りに出てるから、ヒカリ、見てみてよ!


そう目で合図し、私は今を後にした。
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