キミの日記『Cherry's Diary』
「ただいま」
と、作戦が成功するかしないかのうちに
桃乃木が帰ってきてしまった。少し残念。
「お邪魔してます。」
ヒカリが改まって言った。
ものの、少し息を切らしている。
「あぁ、わざわざありがとな。」
ぶっきらぼうに返事をする桃乃木。
「熱は?」
「まだ、少し。」
「ちょっとこっち来なよ」
そう言いながら桃乃木の額に手を当てた。
ヒカリ、早く隠せ。
桃乃木の額は外から帰ってきたばかりのせいか
熱いかどうかわからなかった。
「お前、うつるぞ?」
ふと、自分の手から視線をおろした時
桃乃木の瞳に涙が溜まっているのが目に留まった。
「ねぇ、アンタ泣いてるの?」
「何だよ?しんどいんだぜ。これでも。」
そう言われると、
さっきまで自分たちがしていた事への罪悪感に追われた。
「ま、これお土産。適当に食べてよ」
と、持って来た竹の子を指差した。
「…どうも。」
という桃乃木、
よく見ると気のせいか少し痩せたみたい。