キミの日記『Cherry's Diary』
この前だって
誕生プレゼントあげたのに
返事もしないし。
「そういや、
この前あげたプレゼントちゃんと使ってる?」
「あの日記帳?
…まぁ一応ね。」
と、首をかしげながら返事しやがった。
一応ってなんだ。
…絶対に使ってないな。
せっかくかわいいデザインを選んだのに!
そんな私たちには関係なく
バスはどんどん目的地に向かってゆく。
駅前を通る頃には、
沢山の生徒が乗り込んで来ていた。
ところどころ聞こえてくる女子の声。
同じ学校の子たちが楽しそうにはしゃぎながらしゃべりに夢中。
「次は東警察署前。」
完全に寝損ねた。
桃乃木のせいだ。
バスのアナウンスが鳴る。
「後、2分か。」
さっきもだけど、
桃乃木って時計みたいにあと何分って言うんだよね。
しかも決まって2分前。
私はそんな桃乃木をからかっても仕方がないので
携帯をさわり始めた。
高校に入ってから手に入れた携帯。
まだまだメモリも綺麗で空白が目立つ。
ふと、外を見下ろすと
道路沿いにあるまだシャッターが閉まっている靴屋付近で
ウチの男子高校生が3人、自転車を必死にこいでいるのが見えた。
もうすぐ学校だ。