キミの日記『Cherry's Diary』


帰り際


「やった~~~~~


美里は俺のモンだ~~~~」


大声で叫ぶ彼がそこにいた。

頭をくしゃぐしゃになるまで強く撫でるコウスケ。


嬉しくて嬉しくて

走り回っている

そんな彼を見ていて

私もうれしくなっちゃう。 

まさか付き合うことになるなんて

思ってもいなかった。

私も釣られて

人目も惜しまず叫んだ
 
 
 
「やった~~~

コウスケの彼女になれた~~~~!!」


帰り際に分かれるギリギリまではしゃぐ

私たち。

彼氏いない暦6ヶ月。

そんな独り身の私の生活は、

ひとまず終わりを告げ、新しい恋が始まった。


「じゃ、またな!美里。」


別れ際の彼をわたしはいつまでも

いつまでも見つめていた。


家に帰りヒカリにまずは報告した。

ヒカリは冷静に

「やっぱりね。時間の問題だと思ったよ。」

なんて言いながらも

自分の事のように喜んでくれた。

好きな人と付き合えるって

こんなにも嬉しいことなんだろうか?


それから

いつもと変わらない夕食。

お母さんのご飯がすごく美味しい。

お父さんのパンツ姿だって許せる。
 
風邪も治ってないから早めに寝ようとしてたんだけど

体は『寝る』って言葉を忘れてしまったみたいで

ずっと、今日の事を思い出して笑っていた。
 
 
おかげで次の日から

高熱が出て大変だったんだよ。 
 
 
ただ、このとき

完全に忘れてたんだ。


デート前に来ていた

葵からのメールのことを。
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