キミの日記『Cherry's Diary』
部屋に戻り
桃乃木が
私にりんごを持ってきてくれたよと
お母さんが伝えてくれる。
「あんた、本当にいい友達持ったよねぇ…」
お母さんは笑いながら
寝込んでいる私の顔を覗き込み
手を額に当てた。
「まだ、ダメか。」
私は何も答えなかった。
いい友達。
いい友達…
…桃乃木が?
正直、
桃乃木が
いい友達って言う言葉に
ピンとこない。
ううん。
桃乃木は、普通だよ。
いて普通の友達。
いて当然の人間。
当たり前だもの。
いい友達だなんて言うのは
お母さんの言い方がおかしいよ。
それにお母さんは
桃乃木ファンだしね。
評価も高いんじゃないかな。
それに今回に至っては
この風邪、染したの桃乃木だよ?
しかも
大好きなコウスケとのデート当日に
風邪を運んできたんだから。
そりゃ、
そのまま遊びに行った私も悪いけど、
コウスケとのデートは
キャンセルできないんだからね。
でも、
お見舞いに来てくれたのは嬉しいよ。
・・・・。
コウスケ来ないかな・・・。
本当はコウスケに
一番に言って欲しい言葉だなぁ。
絶対にコウスケなら
桃乃木みたいに
リンゴやっといてなんていう風に放置しないで
大丈夫か美里?の一言でも言いに来るのに。