キミの日記『Cherry's Diary』
昼休みになる頃には
そんな怒りが少しは治まってた。
桃乃木・・・
楓さんのこと
聞けなかったな。
楓さん元気なのかな?
休み時間に窓の外を見つめていた時
みつばちゃんとヒカリが声をかけてきた。
「ゴメンネ、美里ちゃん」
みつばちゃんは
喧嘩が止められなかったことに責任を
感じているみたいだった。
「すごく怒ってたね。桃乃木君。いつも絶対にあんな表情を見せないのに。」
「大丈夫だよ、みつばちゃん。」
すると、ヒカリが口を開く。
「美里、コウスケ先輩に告白する前の時と同じ顔してるよ。眉間にしわって言うのかな?」
「・・・うん。」
そうかもしれない。
不安だけど話すに話せないことってある。
心配そうな顔をするヒカリ。
「大丈夫だよ。」
大丈夫。
本当は無理してる。
でも知られたくない。
言いたくない。
私の予感が当たってしまいそうだから。
「自分でもよくわからないんだ」
「桃乃木君の事?」
うん。
桃乃木の事。
桃乃木のお母さんの事。
話してくれなかったこともそうだけど
あんなに怒ってたこと。
好きなはずのコウスケ先輩じゃなくて桃乃木の事。
ヒカリは桃乃木が好きだから
桃乃木やその家族の事で悩んでるって話せないよ。
「ちょっといい?」
と、学子が声をかけて来た。
「どうしたの??」
…辺りをキョロキョロ見渡すと
学子は
「内緒話。ゴメン、美里借りてくわ~」
そう言うと、私の手を引き
誰もいない屋上に連れ出した。