キミの日記『Cherry's Diary』
屋上は予定通り誰もいなくって
ちょっとした悩みを
打ち明けるのにはちょうどいい感じの広さだ。
「で、どうしたの?桃乃木君と喧嘩したって?」
「うん。」
屋上からはグランドで
はしゃぐ男子達の姿が見え
時々騒がしい声が聞こえる。
「桃乃木君に何か嫌なこと言われたの?
様子変だよ?」
「まぁね。
アイツがあんなに怒ること無かったから
ちょっと意外だった。」
「原因は?」
「土曜日、桃乃木に嘘ついてデートしてたから。」
「何?それ?」
「でしょ?健康に気ィ配れだって」
「う~~~ん???それだけ?」
そう。桃乃木の言ってたことは
要約するとそれだけなんだ。
「それだけじゃないんだよ!
コウスケの事『アンナヤツ』なんて言ったのよ!!」
そう、コウスケをあんなヤツって。
「そうやって
怒ったフリしてるけど。
美里、あんまり怒った顔してないね。」
うん、自分でもわかってる。
コウスケ先輩の事
悪く言われて怒ってるわけじゃない。
それよりも、
「・・・あいつの母さん
今入院してるらしいんだけどそれ話してもらえなかったんだ。」
「そうなの?」
そして、何かを考えたかのように
そのまま、そっかと一言だけ学子が言った。