キミの日記『Cherry's Diary』



「寂しいんだ?話してもらえなかったこと。」


「・・・うん。」

桃乃木に

話してもらえなかったことが

頼りにされなかったことが

信頼してもらえなかったことがすごく寂しい。
 


それが私の怒りの

引き金だったんだと思う。


「私だったら、そんなに辛いこと絶対に話すのに」


「う~ん?桃乃木君なりの愛かねぇ」


「?」


「だって心配させたくなかったんでしょ?

桃乃木君。お母さん入院って辛いよ。」


「そうかなぁ。」


「青春してるね、美里。」


だから、なんでだろうな。

学子がおじいちゃんに見えるのって。


「そっか。心配されてるんだ、私」


「そうだよ!誰が見たって分かるくらいにね!」


言葉を失う。

でも、

桃乃木の普段の私への態度って

よくよく考えてみると

私のことを心配してくれているってことしか

当てはまらない気がしてならなかった。


「私は最初から気付いてたよ。

桃乃木君が美里を大事にしてるって。

美里は、どうかわからないけどね?

美里、桃乃木君とちゃんと話してみ?楽になるからさ」


「うん、でも、まだうまく心の中がまとまんない。」


「誰かに話していたらそのうちにまとまるもんだよ。」


私がそうだからさ!

と、言うと学子はにかっと笑った。


誰かに、

話を聞いて欲しかったんだ。
 
それから

私たちはしばらく話していたんだ。


桃乃木への想い

コウスケへの想い

すると意外なことがわかってきた。




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