キミの日記『Cherry's Diary』
熟さない日記帳
「美里、大丈夫?」
何とか学校に着いた私は暗い一日を過ごしていた。
昼休み、
疲れ顔を誰にも見られないよう沈めていた私が
ゆっくり顔をあげると、
ヒカリの顔がそこにあった。
「…うん。」
ちょっとね。
とだけ告げそれ以上は何も言わなかった。
「桃乃木君、どうだった?」
学子が聞いてきた。
「大丈夫そうだったよ。意外と。
私のほうがへこんじゃったな。」
桃乃木のやつ、
今は葬儀の準備やら何やらで忙しいらしい。
親戚も家族も他にいないから大変だなどと、
そんな話をしてるとヒカリが、
「迷惑じゃなかったら、帰り顔出そうかな…」
と、ぽつりと言った。
学子が迷惑なんじゃない?というと
「お母さんなんだよ?」
と、ヒカリは怒り交じりで学子に言った。
ヒカリもお母さんと2人暮らしだから
気持ちがわかるのかもしれない。
うん。
桃乃木は喜ぶと思う。
だから、ヒカリには
「後で一緒にいこ。」
とだけ伝えた。
私はお母さんがいなくなったことが無いから
その気持ちはわからない。
だけど、何もしないよりかは絶対にいい気がして。
「美里の家に後で行くね。」
こうして、
私たちは楓さんのお通夜に行くことになった。