キミの日記『Cherry's Diary』


「桃乃木。」


控え室に戻ろうとしていた桃乃木に目が止まり

声をかけると

彼は寂しげな顔で微笑んだ。


彼は私たちに気がつくと、


「今日はありがととな」


そう言い、立ち止まった。

「桃乃木君、元気出してね。

私ができることあったらなんでもするからさ!」


ヒカリが珍しく勢いよく話しかける。


「お?おぅ。」

桃乃木は少し照れくさそうにしていたけれど

寂しさが伝わった。


「あたしも、できることはするよ。」

 
「そっか。」


というと、フッって

笑ういつもの表情が見えた。 


「じゃあ、またな。」


別れの言葉と同時に

私たちは少しだけ安心した。

控え室までほんの10mほどしかない。


だけど、そう言って控室に向かう彼の姿は

彼は長い長い旅路へ出ている旅人のように

なぜか見えた。
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