キミの日記『Cherry's Diary』
ヒカリからの返事も無く
私は、桃乃木の部屋で留守番。
「暇だし、宿題でもしてよう」
暇だから宿題なんて言葉。
昔だったら考えられなかったのに。
我ながら成長したものだ。
「ふふふ」
と、悦に入っていると、
教科書忘れた事実に気がついた。
「桃乃木、教科書借ります!」
なんて独り言を言いながら
と桃乃木の部屋に足を踏み入れた。
彼の部屋は相変わらず整頓されていたものの
意外なことにまだ使われてない
ダンボールが重ねてあった。
「葬儀用・・・?」
教科書は棚においてありすぐに見つかった。
探していた教科書よりも
私の目に留まっていたのは一冊の日記帳。
それは以前読み損ねた
さくらんぼのマークの桃乃木の日記帳だった。
彼の机の上に置きっぱなし。
前よりも
使い古されたような感じ。
「ちゃんと使ってたんだ…。」
『Cherry's Diary』
と書かれたロゴを指でなぞり
机の上に置かれた日記帳を手に取った。
「見たら、怒られるかな…。」
周囲を見渡し椅子に腰掛けると
少し傷んだ日記帳の一ページ目をめくった。
桃乃木…字汚い…。
思っていたよりも
乱雑に鉛筆で書かれた文字がそこにあった。