キミの日記『Cherry's Diary』
━5月11日━

自分で自分が嫌になる。 

母さんの服を代えにいく日だったのに。

自分は誘惑に負けた。

美里の友達の『桜桃』って店でお好み焼きを食べた。

なるべく多くの時間、美里といたかった。

でも、母さんには自分しかいない。

それなのに、

遊びに行ってしまった。

好きな女の子といる事を優先させた事の

罪の意識でいっぱいだ。

最低だ。

本当に

・・・最低だ。


━5月16日━

小さい頃、美里と約束してた。

将来大きくなっても仲良しでいようって。

ずっと叶うもんだって思ってた。

自分はアイツの事が好きだし、

あいつもそうだって自惚れていたのかもしれない。

アイツを守りたくて

僕は一生懸命していたつもりだった。

方向性が間違ってたのかもしれないとつくづく思う。

中学の時

『美里と同級生の向井が付き合ってる』

って噂が現実だって知って、正直、辛い。

美里は俺の事を

別になんとも思って無かったってことだから。

向井は美里なんて好きじゃないとか言ってたのに。

向井がうらやましい。


━5月17日━

学校を休んだ。

まだ、テストがあったんだけど、

今日は仕方が無い。

少し熱があった。

連日の疲れだろうか。

それに、美里の元彼の話。

好きだってお互いに言うわけじゃないけど、

俺は・・・

少なくとも

俺は見えない絆でつながれているもんだって

自惚れていた。

なんか、最悪だ。

美里が他の男が好きだったなんて…。

それが理由ってわけじゃないけど

これから2,3日休む予定。

それにしても

母さんが自分の心配よりも息子の心配をしてたことに驚いた。
 


━5月18日━

風邪が治らん。。。

頭が痛い中、話が進む。

児童相談所の国枝さんから連絡があった。

これから母さんに何かあった場合、

彼に電話して欲しいってことらしい。

母さん、そんな手続きの準備をしているなんて

正直、辛い。

児童相談所に施設。

そう考えると、

母さんとの別れがいよいよ現実的なものになってきた。

ふと、携帯を見ると黒川からメールが来てた。

風邪が大丈夫かというメールだった。

夕方になるともうほとんど大丈夫だったが

頭が痛いので

『熱が引きません』と送っておいた。
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