キミの日記『Cherry's Diary』

新しい道

それから一週間が経ち

桃乃木はまだ、学校に来ない。

日曜の昼に呼び出された私は、

桃乃木の家に一人で行った。 

『話したいことがある。』

メールにはただそれだけが書かれていた。

だけど、私は、きっと告白だと思っていた。

桃乃木の告白。

私はそう思ってた。

 
「こんにちは~…」

 
返答がないかもしれないと

思いながら扉をくぐった。

玄関には先週は見当たらなかった

ダンボールが数多く並べられている。

 
「じゃあ、国枝さんよろしくお願いしますね。」

 
そう声が聞こえ、

奥を見ると葬儀の時に桃乃木の隣にいた

おじさんがそこにいた。


「じゃ、純君。車とって来るからさ。」
 

出て行くおじさんに会釈をすると

私は桃乃木のいる部屋に入った。


「よっ!元気?」

 
意外と元気そうな桃乃木。


「どしたん?わざわざ呼び出したりなんかして?」


「ちょっと、話したいことがあってね。」


「…何?」


真剣な顔。

のどに通るつまりを私は飲み込んだ。

それから桃乃木の告白がはじまったんだ。


「実はさ、」


…分かってる。

好きなんでしょ?

ゴメンネ
 
桃乃木、

私読んじゃったんだ。

キミの日記。
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