キミの日記『Cherry's Diary』
「美里。昔よくここで遊んだよな。」
「…うん。」
小さい頃。
お父さんに連れられてよく遊んだ。
少しだけ
桃乃木の今後のことが気にかかる。
「ね。もう、ここには戻ってこないの?」
「あぁ。」
「何ですぐに言わなかったのさ!!」
「施設に入れられるってのがさ、言い出せなくてね。」
そんなの、
そんなの関係ないじゃん。
「何でさ。楓さんの事だって…」
「ゴメン。」
「何でいつも何も言わないの?」
ついつい感情的になってしまう。
「桃乃木、あたしの事好きじゃん?
大好きじゃん。何で言わないのさ?」
そして、
今日聞きたくて仕方がなかったその言葉。
「・・・・・。」
まるで、
駄々をこねた子どものように騒ぐ。
「…だから、だろ。」
桃乃木はため息をついて言った。
「覚えてるか?」
「何を?」
指さした方向を見ると公園にある
若い桜の木を指差していた。