キミの日記『Cherry's Diary』
ほっとため息をつくような。
それでも、
吐きれない何かが残るような。
そんな安心。
「もらう。」
手を彼のほうに伸ばし、
カップを受け取った。
そしてカップからあふれる温もりを感じながら
コーヒーを口に含んだ。
「苦い。」
まるで目にその苦みを映しているかのように
黒く底の見えないブラック。
それは
本当に苦かった。
本当に。
コーヒーをもう一口飲もうとした瞬間、
彼は私の頭を軽くなでた。
「朝食、パンで良いか?」
私は彼の顔を見ようとしたけれど
彼の腕が彼を隠して見ることができないでいた。
笑っているのか。
それとも…。
「…実感。ないね?」
ポツリと
そう
つぶやくと、
彼はコーヒーをそばの机に置いた。
「忙しかったからな。」
そう言いながら
私の体に腕を回し、ギュッとした。
「うん。」
ギュッとしてた。
鼻を私の額に当て、笑っている。
「俺、うれしいよ。」
「うん。」
机の上に置かれた彼の
コーヒーカップからはうっすらと湯気が立ち上がっていた。