キミの日記『Cherry's Diary』
「いや、頑張ってたよ桃乃木は。昔から。」
なんて口走ってしまった。
はっとして
桃乃木を見ると固まっている。
久しぶりのほめ言葉に
照れているのだろうか?
「・・・ほめても何にもでねぇぞ?」
やっぱり照れてる。
分かりやすいやつ。
「ねぇ、桃乃木君って何でバスケ辞めちゃったの?」
ヒカリが前も、
気になっていると言っていたことだ。
小学校のとき
『俺バスケット選手になる』って言ってたくらいだもん。
桃乃木のヤツ、相当好きだった。
「う~ん。確率の問題かな?」
は?
何それ?
「うん、バスケ嫌いになったわけじゃないんだけど、
バスケじゃどんだけ頑張っても将来、
飯食ってけないだろ?」
「それで、バスケ捨てちゃったの?」
「まぁね。
科学はさ、頑張っていれば
研究員になれて好きな子とか幸せにできるなって思ってさ。」
へぇ。いろいろと考えてるんだ。
「ねぇ、
『好きな子を幸せにできるかも?』
って事は好きな子がいるの?」
ヒカリが桃乃木に顔を近づけて聞く。
「えぇ?あぁぁ。」
困ったアイツは
私のほうを見て助けを求めていたみたいだけど。
桃乃木!ガンバ。
私は勉強頑張ってますよってスタイル。
机にかじりついてますよ。
耳はあなた達の会話を聞いてるけどね。