キミの日記『Cherry's Diary』

 

コツコツッコツコツッ

 
  
暗くなった廊下の奥からライトが時折

ピカピカと差し込んでくる。
 
 
そろそろ警備員の福田さんが来る。
 
 
この時間帯になるとやってくる

福田さんは

もう72歳になるおじいちゃんだ。

 
主な仕事は

明かりの着いている教室の巡回

と窓の鍵閉め。
 
 
ここ数年の間に足を悪くしたらしく

コツコツって音の後に少し足を引きずるんだ。
 
 
コツコツッコツッ
 
 
―ガラガラガラ―
 
 
教室のドアが開いた。
 
 
「お~ぅぃ、勉強も良いけど、

そろそろ帰れぇぇぇや~」
 
 
そう言われ私達は
 
 
「は~い。友達が来たら帰ります。」
 
 
と、返事をした。
 
 
すると、福田さんはうなづくと

また、闇の中へ消えていった。
 
 
コツコツッコツッ
 

って音を立てながら。
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