キミの日記『Cherry's Diary』

「イタリア産?」

と、学子。



「そ、正確には

イタリアの木とのハーフらしいよ。でも。」

 
 
「でも?」
 


「桃乃木の言った事だから、嘘かもね。」



「そうなんだ。」



「だって、

イタリアに桜があるなんて聞いたことないしね」


「って事は嘘かなぁ?

桃乃木君の言うことだからホントっぽいけどね?」


「うん。そだね。」

と、ヒカリにみつばちゃん。


「そもそも、イタリアって桜あるのかな?」


ヒカリの疑問はみんなが思ってた。


「桃乃木の奴は将来、

新婚旅行にでも行くことが

あれば見たいとか言ってたけどね」


「ちょっと!みんな話がずれてる!」


そうだった。

学子の新商品。

こうやって持ってきてくれるのは

ありがたいんだけど。

見た目が緑色のお好み焼きだ。


「とりあえずさ!味見してみてよ!」
 

「…あふっ」


みつばちゃんが口に入れた瞬間

苦みのある未知の味が

広がったのだろうか

黙り込んでしまった。


「……」


「……」


動かない口。

不気味に残るお好み焼きから

はみ出しているしこり。

あれは、隕石か何かじゃないのか?

まだら模様の石がいくつも入っているように見える。


「…おいしい?」


どう?と尋ねる学子に対し

嬉しそうに答えるみつばちゃん。


「うん!おいしい!初体験だ!」


「……それはみつばちゃん

だから成立するんじゃない?」



「そうなの?」

次に、

みつばちゃんの反応を信用たヒカリが

いただくね!

と、思い切って口の中に放り込んだ。


「…。」


食べた後、

渋い顔で私を見つめるヒカリ。



…そんな顔されても困る。



「……」


どうやら

昨日覚えたことを忘れたと言い訳するには

十分な原因になりそうだ。


「美里もほら!食べてみてよ!」


え?

正直、嫌なんだけど。

と、思うものの、


「え?うん?一口だけね。」


恐る恐る口にしたその味。



感想だけど…、


きっと聞かないほうがいい。

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