キミの日記『Cherry's Diary』
 
 
お母さんへの文句はとりあえず流し、

顔をチェック。

笑顔良し?
 
 
「う~ん。


まぁまぁかな。」
 
 
鞄にありったけの教科書を詰め込むと

部屋を飛び出し

階段を駆け下りた。
 


「はい!お弁当!」



そう私にお弁当をくれるお母さん。

お弁当は

ピンク色のハンカチに

包まれていてまだあったかい。


「ありがと。」


「朝ご飯は?」


「無理かな?


とにかく!行くね!」


「もう!もっと早く起きなさい!!」


「はーい」


そう見慣れたやり取りを繰り返し、

玄関の扉を開けた。


そこには

いつものように

迎えに来る桃乃木の姿があった。
 
 
  
 
 
「…おはよう。」
 
 
 
と、不機嫌そうな顔の桃乃木。
 
 
「ホント、ゴメンネ桃乃木君。

毎回美里を迎えに来てくれて。」
 
 
たった数分前まで

ここにいた仁王様はどちらへ?
 
 
びっくりするくらいの

変わり身でお母さんが桃乃木に言った。
 
 
「いえ。慣れていますから。」
 
 
「じゃ、桃乃木行こ!おかーさん、いってきまーす!」
 
 
「全く、早く起きないから…」
 
 
と、

ぶつぶつ言うお母さんの横をすり抜けた私は、

小走りでバス停に向かった。


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