キミの日記『Cherry's Diary』
天気は晴れ、ところどころ曇り。
鞄は重い。
道行く向こうの空が
少しだけ色黒になっているのが分かる。
春といってもまだ少し肌寒く、
そして鞄は重い。
「お前、さっきから鞄が重い重い言いすぎじゃね?」
「もう、今日授業ありすぎ!
ホント重いんだよ!
最初だって言うのに
こんなに問題集持ってこいって何?
ねぇ~? 桃乃木?」
「俺、クラス違うからそんなにないけど?」
「…。」
ったく。話の通じないヤツ。
小学校の頃は
よくしゃべってくれてたのに中学に入ってからかな。
こんなに無愛想になったの。
あ~、暗い。暗い。
「・・・持つ?」
「いいよ!」
バス停が見えてきたとき、
「今日は、2分くらい余裕があるな。」
桃乃木はそう言って信号待ちのバスを指差した。
「っていうか
2分って余裕ないじゃん。
嫌味ィ~?」
「さぁ?」
とかなんとか
言っている間にバス停に到着した。
ホント
嫌味なヤツ。
そんな風に言うなら先に行けばいいのに。
そんな風に言うなら先に行けばいいのに。
「お前、
さっきから文句ばっかりだな。
2回言わなくていいよ。
分かるから。」
「うるさい!
ホントむかつく!」
そんなことを言いながら
私達はちょうどやって来たばかりのバスに乗り込んだ。