キミの日記『Cherry's Diary』
「昨日、一緒に勉強してたんでしょ?」
「まぁ、頼まれたからね。」
そう、淡々と話す桃乃木になぜかむっとした。
「誰にでも『教えて~』って言われたら教えるんだ?」
「ンなことねぇよ。」
「じゃあ、何で?」
「お前の、友達だろ?友達の友達は友達だ。」
「あっそ。」
なんか、釈然としない答え。
「アンタ彼女つくんないの?」
中学のとき彼氏がいたせいか
ずっと恋人のいない子を見ると
ちょっとだけおせっかいになってしまう。
私の悪い癖だ。
「どうだろ。俺、好きなヤツいるから。」
「へぇ?誰?私の知ってる人?」
桃乃木はむすっとしながら
地理の地図帳を手にとり
ペラペラとめくりはじめた。
「そうだよ。」
「…ヒカリとか?」
桃乃木の手は相変わらず
地図帳を機械的にめくっている。
あっそ。
無視ですか。
「美里はどうなのさ。彼氏いたのかよ。」