アズライト
プルル

プルル

プルル

プルル

プルル



プルル

プルル


プルル



出ない



プルル
プ…



『  はい 』



「ねてたか 」



『 うん おはよう』

怠そうだな




「おはよ

おまえさ
【騎士】の【教会系技能】で
【聖典・Ⅰ】って何が落とすか
わかるか? 」





 −春が台所へ立った





『えと…

最初に会った、海賊の街
あそこから 少し行くと
寂れた教会 あるでしょ』



「【BIRE修道院】か 」


『確かそんな名前

あそこ夜になると』


「ごめん ちょっと 離席 」


『? はい  』







「 春  」



ガシャーン と

ものすごい音を立てて
グラスが割れた


台所への敷居の向こうで
小銭がバラバラ落ちる音





「 そっちの財布には
小銭しかもう入れてないよ」







グラスファイバーで出来た
赤い暖簾の向こうで
春が立ち尽くす

後ろを向いたまま






「あは



いつから知ってた? 」




「いつかな 忘れた 」


「…さっきの
 アイスもね

淳の財布から抜いたお金で
買ってきたの 」


「なら気を使わなくていいな」

俺は立ち上がり
台所まで行って冷蔵庫を開ける



「俺 クッキー&バニラね」




顔を下に向けたまま
春がすごい力で俺を掴む



腕からアイスが飛んでいった












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